icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻12号

1953年11月発行

文献概要

銀海餘滴

葉緑素

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.977 - P.977

文献購入ページに移動
 葉の緑色は,1871年にPelletier等がChloropyyll (邦譯,葉緑素と命名し,1906年以降Willslatter等がこれを分離精製して,その化學構造まで明かにした。これと平行して赤い血色素の研究が主としてH.Fischer等により進められ,1928年には,そのヘミンの化學構造が決定した。偉大な兩研究者群はさらに夫々を人工的に合成することにまで,殆んど成功している。
 さて,此の兩化合物は,いずれも大變に複雑な化學構造を持つているが,その分子構造を較べると,ビニール核が4つ向きあつている3型であることに全く一致し,かつその中心に,金屬原子1個を有する點でも全く同じである。異るところは,些少の側鎖の違いはさておき,葉緑素の中心がマグネシウム原子,ヘミンの中心が鐵原子であることに過ぎない。前者即ち葉緑素は,高等植物たる櫻や薔薇の葉から,單細胞の緑藻にまでの何れにも含まれており,植物と動物の移行域に在る下等動物たるミドリムシの單細胞の内にも多數の葉緑粒がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら