文献詳細
文献概要
銀海餘滴
葉緑素
著者:
所属機関:
ページ範囲:P.977 - P.977
文献購入ページに移動さて,此の兩化合物は,いずれも大變に複雑な化學構造を持つているが,その分子構造を較べると,ビニール核が4つ向きあつている3型であることに全く一致し,かつその中心に,金屬原子1個を有する點でも全く同じである。異るところは,些少の側鎖の違いはさておき,葉緑素の中心がマグネシウム原子,ヘミンの中心が鐵原子であることに過ぎない。前者即ち葉緑素は,高等植物たる櫻や薔薇の葉から,單細胞の緑藻にまでの何れにも含まれており,植物と動物の移行域に在る下等動物たるミドリムシの單細胞の内にも多數の葉緑粒がある。
掲載誌情報