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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻12号

1953年11月発行

文献概要

銀海餘滴

イオン交換樹脂

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所属機関:

ページ範囲:P.997 - P.997

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 イオン交換樹脂は水不溶性の高分子イオンと水可溶性のイオンとからなりたつている合成樹脂である。これには2種類あつて交換に役立つイオンが陽イオンか又は陰イオンかによつて,それぞわ陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂と呼ばれる。これはいろんな化學的分質の純化精製に利用されていたものである。又第二次世界大戰中に海中からNaを除去して,海水を飲用水に換えるためにも利用された。これが醫薬品として治療に利用されだしたのは,ここ近年のことであつて,主なる用途は體内にNaの蓄積することを阻止する。つまり體内にNaがたまると浮腫が起るので,この浮腫の治療に用いられる。從つて,鬱血性心不全による浮腫,又は高血壓症などの治療に應用ざれ,更に又胃酸過多乃至胃潰瘍の治療に制酸劑としても利用される。
 普通用いられる陽イオン交換樹脂はアンモニウムイオンを陽イオンとして含んでおつて,これが體内の陽イオンと交換されるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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