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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻13号

1953年12月発行

銀海餘滴

近視

著者: 大塚任

ページ範囲:P.1014 - P.1014

文献概要

 近視は近業を持續的にやると起り易いことは事實でありますが確定してはいません。今から約150年前(1801年)Scarprという解剖學者が,近視の眼球が後に延びていることを發見して以來,近視は眼軸が延びる爲近視になると考える樣になり,Jaeger (1855年)の如く近業で水晶體を厚くしていることを持續していると水晶體が厚くなつた儘に變化しで近視になるという,水晶體屈折説を唱える人もありましたが餘りかえりみられず,今日でも眼軸説が優勢であります。我國では佐藤通氏が10餘年前屈折説を唱えられ,一時日本の眼科學界を風靡したのですが,その後近視はその大部分は眼軸の延長により,小部分が水晶體の屈折力の増加で起るという,大塚の眼軸水晶體作用説が次第に承認されつゝあります。
 近視の本態については,かく決定したとしても,その成立の機轉については不明であります。水晶體屈折説では説明は前述の如く簡單でありますが,眼軸説の方では,どうして眼軸が延びるかという説明は困難であります。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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