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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻13号

1953年12月発行

臨床實驗

家族性角膜變性の2例とその家系圖,細隙燈及び組織所見に就て

著者: 伊藤淸1 前田良治1

所属機関: 1慈惠醫科大學眼科

ページ範囲:P.1041 - P.1044

文献概要

 所謂家族性角膜變性はGroenouw,Fleischer,Bucklers等により漸次その概念の明かにされて來た疾患であつて,1890年Groenouwが"No-duli-corneae"なる名稱の下に2例を初めて報告し,1905年に至り,Fleisherは100餘例を蒐集し結節状及格子状角膜變性が屡々同一家族内に於て出現する事から此等を同種異型の疾患であるとし家族性角膜變性なる名稱の下に總括したが,1938年Max Bifcklersは12家系129名に就て詳細な家系調査を行い,その遺傳關係,家族性を明かにし,顆粒状,斑状,細網状角膜異榮養症の3型に分類し,同一家系患者に以上の3型及至2型の混在する事なく,又臨床症状,經過及遺傳形式の差違を擧げ,以上3型は全く異つた獨立した疾患であるとし,Fleisherの説に反駁した。かかる家族性角膜變性の共通症状は,溷濁が兩眼に常に發生し,血管新生や強い炎症症状を缺き,家族性に出現して,絶えず進行する事の諸點であり,結節状角膜溷濁の特徴に就ては,Bucklersは初期は微細な溷濁が好んで放射状配例をなすが漸次増大緻密となり,種々の形をとる樣になると。又溷濁は點状溷濁の集合より成つており略々瞳孔領に存在し,各々溷濁間の角膜及角膜周邊2〜3mmは常に透明であると述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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