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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻13号

1953年12月発行

文献概要

臨床實驗

Bourneville Pringle氏病の1例に就て

著者: 中村滋1

所属機関: 1慶應大學眼科

ページ範囲:P.1051 - P.1053

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 Bourneville氏は1880年をこ2歳の時より癲癇を繰返した15歳の女子の高度に白痴状態にあつたものを剖検しその大腦皮質に多數の結節性硬化竈を發見し,之を從來の單なる白痴より分離して結節性腦硬化症と命名した。其の後同氏は約25年間に同樣の症例10を見,以後Bovrnaville氏病又は結節性腦硬化症なる名前を以て報告せられた。次いで1885年Balzer氏,Menetrier氏は生來又は幼時より顔面に對稱的に多發する皮膚の腫瘍を脂腺腫(Adenoma sebaceum)と名付け1890年Pringle氏は更に同樣なる症状の患者をkongenitale Adenoma sebaceumなる名稱の下に報告している。然して1904年Pelagatti氏,1908年H.Vogt氏が此の脂腺腫が結節性腦硬化症に随伴することに注目し,兩者が同一疾患なることを明らかにした。然し乍ら,それは症状の上から精神科及び皮膚科領域であつて,眼科に於ては何等の顧慮が拂はれなかつた。本病に随伴する眼症状に關して,始めて詳細な報告を行つたのは1921年van der Hoeve氏である。同氏は本病の症例6例12眼に於て特異なる網膜腫瘍或は乳頭腫瘍を發見し,更に組織學的の検査を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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