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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科7巻6号

1953年06月発行

文献概要

銀海餘滴

滿洲の醫學

著者: 石増榮生

所属機関:

ページ範囲:P.258 - P.258

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 中村先生殿
 先生よりの御手紙拜見厚く御禮申上げます。先生が日本で角膜移植の大成を成し,先生の御著書の御蔭即ち先生より種を蒔いたために,中國では東北殆ど各専科醫の處で手術を施行して居られる現況で,全國方面に對しては只今の所,活動寫眞をもつて教育する方針でフイルムを製造で將來は發展有望だと認む。先生の御著書角膜移植術篇,中國語に飜譯して全國に分發して居ります。中國ではソ聯Filatovの組織療法,パフローワ生理學高級神經作用を基本にしての細胞病理學を全然反駁して居ります。小生等の成年角膜軟化症,網膜の過去外傷性神經症,ヒステリー性黒内障,弱視,眼精疲勞中の一部等を角膜組織神經榮養傳導障碍(一時停止)パラビオージス,網膜知覺傳導(障碍)暫時停止,パラピオージス,前者成年角膜軟化症は東北地方百姓中によく遭遇するもので例えば烈しき精神刺戟(例えば戰傷,外傷即災害,事故,ある例には某青年自轉車稽古中傍の子供を怪我してから2,3日後,又某の例では若い時計修理商店員が,主人の留守中間違つて上等貴き時計を誤つて外の人に舞魔して取られ主人が歸店後,無理に辨償させられてから暫くの後,又某御婆が親類間の借金を中間人として後に約束を守らず中間で困却されて,睡眠と食慾等は當然障碍されたが,中國百姓で「上火」と云われ,早く兩眼が典型的軟化症に陷つたと云う例は澤山ありました。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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