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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科70巻1号

2016年01月発行

雑誌目次

特集 眼内レンズアップデート

球面レンズ・非球面レンズ

著者: 木澤純也 ,   前田可奈子 ,   今泉利康 ,   黒坂大次郎

ページ範囲:P.16 - P.23

はじめに

 白内障手術は,急速に進歩し手術成績が安定したので,白内障手術に対する患者の期待度が高くなり,QOV(quality of vision)という概念が提唱されるようになった。患者の期待に応えるため,本来の水晶体がもつ機能を付加価値として眼内レンズ(intraocular lens:IOL)に加える臨床応用が始まった。球面IOL挿入眼の高次収差は若年者の有水晶体眼より大きくなってしまう1)ので,IOL挿入眼の高次収差を改善するために非球面IOLが開発された2)。最近,国内で新規発売された単焦点IOLのほとんどが非球面IOLであり,これにより良好な視機能を得ているとの報告が多い3,4)。しかし,非球面IOLではIOLの偏心や傾斜が生じると収差が増加する場合があり,Zinn小帯脆弱症例やIOL縫着症例などで球面IOLが推奨される場合もある。

 本稿では,球面収差,非球面IOLの考え方,非球面IOLと球面IOLの違い,球面収差補正量の違いによるIOLの特徴,非球面IOL挿入に注意すべき症例について述べる。

多焦点眼内レンズ

著者: 柴琢也

ページ範囲:P.24 - P.30

はじめに

 近年の白内障手術は目覚しい進歩を遂げており,眼内レンズ(intraocular lens:IOL)に関してはさまざまな付加価値を有するプレミアムIOLがもはや標準となりつつある。プレミアムIOLの1つである多焦点IOLは,2005年頃より新世代のモデルが欧米を中心に相次いで開発され,わが国でも2007年より順次使用可能になった。さらに2008年7月には先進医療の承認を受け,現在までに数多くの症例に挿入されている。本稿では,多焦点IOLについて今までの流れから現状および今後について検証する。

トーリック眼内レンズ

著者: 柴田奈央子 ,   佐々木洋

ページ範囲:P.32 - P.39

はじめに

 白内障治療と乱視矯正を同時に行うことができるトーリック眼内レンズ(intraocular lens:IOL)はわが国でも多施設で行われるようになった。今まで乱視のある白内障術後患者は眼鏡による矯正が必要であったが,トーリックIOLの登場により術後裸眼で最良視力を得ることが可能となった。本稿では単焦点トーリックIOLの種類と特徴,適応,軸合わせにかかわる最新の機器などについて述べたい。

フェーキック眼内レンズ

著者: 小堀朗

ページ範囲:P.40 - P.46

はじめに

 フェーキック眼内レンズ(Phakic intraocular lens:Phakic IOL)は水晶体が存在する状態で使用するIOLであり,近視矯正手術(遠視も可能)の1つである。別名眼内コンタクトレンズとも呼ばれる。高度な近視でも良好な視力が得られ,近視の戻りがなく,問題があれば摘出して元に戻せることが大きな利点である。レーザーによる近視矯正手術の限界が理解されるとともに普及する手術となった。

 最近のPhakic IOLの話題としては,2011年に乱視矯正のできるVisian ICLTM(implantable collamer lens:以下,ICL)が国内承認され,2014年には光学部中心に貫通孔のあるHole ICLが承認されたことである。今後,ますますICLが広まっていくものと思われる。一方,隅角支持型のPhakic IOLであるAcrySof® CACHET® Phakic lens(Alcon)が製造中止となった。ヨーロッパでは最近まで販売されており,国内でも治験中であった。しかし,長期試験の解析結果で角膜内皮への影響が懸念されたため2014年にメーカーが自主的に製造中止とした。

LASIK眼の眼内レンズの選び方

著者: 神谷和孝

ページ範囲:P.48 - P.57

はじめに

 わが国では,通常眼内レンズ(intraocular lens:IOL)度数計算として,第三世代理論式であるSRK-T式を用いることが多い1)。LASIK(laser in situ keratomileusis)後のIOL度数計算は予測性が低く,通常白内障眼と同様にSRK-T式で算出すると“refractive surprise”と呼ばれる大きな屈折誤差(多くは遠視化)を生じることとなる。LASIK術後のIOL度数計算における術後屈折誤差の原因として,以下のものが考えられる。第一に,LASIK施行後の角膜屈折力分布が中央で不均一となり,ケラトメータで測定する傍中心部と中央部における角膜屈折力の差が大きくなる。第二に,LASIK術後では角膜前後面の屈折力の比率が変化しているにもかかわらず,ケラトメータでは角膜前面のデータのみで角膜前後面の屈折力を推定するため,LASIK施行後に通常の角膜換算屈折率を用いると角膜屈折力が過大評価される。第三に,LASIK施行後にフラット化した角膜屈折力から術後前房深度を推定すると,前房深度はほとんど変化しないにもかかわらず,予測前房深度が浅く計算され,遠視化を生じる。第四に,製造過程におけるIOL度数そのものの誤差が挙げられる。本稿では,LASIK後のIOL度数計算およびそのIOL選択について概説する。

着色眼内レンズの有用性

著者: 戸田和重

ページ範囲:P.58 - P.66

はじめに

 ヒトは,地球表面上に降り注ぐ太陽からの電磁波を光として利用して生活し適応してきた。そのうち,400〜800nmの波長を利用して色覚を有してより生活を便利にする機能をもつようになった。また,400nmより波長の短い紫外線(ultraviolet:UV)はエネルギーが強く,生体内のさまざまな組織や分子に影響を与える可能性が高いため,有効な防御を必要とすることがわかってきた。眼も例外でなく,近年は短波長光線による網膜光障害を中心として話題になっている。

 白内障手術は有色である水晶体を取り除くため,術前には水晶体によりカットされていた波長の光が,術後には網膜に達することがわかっている。正常ヒト水晶体は300〜400nmの光をほとんどブロックしている1)。特に加齢者では,水晶体は黄色調を強めるため短波長側の光の透過はさらに低下する(図1)。水晶体によりブロックされていた短波長光線は,羞明・網膜障害や加齢黄斑変性(age-related degeneration:AMD)の原因となったり,その進行を助長するという仮説のもと,眼内レンズ(intraocular lens:IOL)にはヒト水晶体と同等の着色が有用であると考えられてきた。一般に,視機能に関与しない紫外部は積極的にカットすべきであることには異論がない。

 ヒトは,桿体・青錐体・緑錐体・赤錐体・内因性光感受性網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive retinal ganglion cells:以下,IpRGC)の5種類の光感受性細胞をもっている。加齢者でのヒト水晶体の透過率は正常者と比べ,青錐体とIpRGCと桿体に影響を強く与えることがわかっている2)(図2)。それぞれ細胞の感度ピーク波長は青錐体が426nm(紫領域),IpRGCが480nm(青領域),桿体が500nm(青緑領域)である。青錐体は明所での色知覚に働き,青-黄の色バランスに関与する。青錐体の出力低下は青色感覚の低下を招く。IpRGCは480nmを感度のピークとするが,460nmをピークとして松果体でのメラトニン分泌を抑制することがわかっており,460nmピークの光刺激によりサーカディアンリズムの形成に強くかかわる3,4)。また,瞳孔機能や光知覚にも関与していることが示されている3〜5)。IpRGCの機能不十分は日内リズムの変動を起こすことが考えられる。また,桿体は暗所視と薄暮視での光知覚にかかわり,桿体機能の低下は暗所視と薄暮視での視機能を損なう原因となる。

 さらに,波長の短い青色光はより長波長の光と比べ散乱が強いため,中間透光体での散乱が視覚のボケとして働いてしまうこともあり,青色光の有効なカットはコントラストの良い像を得るために重要な面もある。

 今回は,紫外光のブロックは必要であることは異論がないので,IOLの可視光のブロックに関する事項について説明していく。

眼内レンズ二次挿入術における眼内レンズの選択

著者: 松﨑有修 ,   太田俊彦

ページ範囲:P.68 - P.77

はじめに

 近年のわが国における高齢化社会の到来により白内障手術件数も増加傾向が認められ,手術件数の増加とともに,Zinn小帯脆弱例など難症例に遭遇する機会も増えている。白内障手術の術中合併症である後囊破損に対しては,連続円形切囊(continuous curvilinear capsulorhexis:CCC)が保たれている場合は眼内レンズ(intraocular lens:IOL)の囊外固定が可能であるが,Zinn小帯が広範囲に断裂している症例に対しては,IOL縫着術や最近登場して注目を集めているIOL強膜内固定術に代表されるIOL二次挿入術が用いられる。さらに,種々の理由により,白内障術後にIOLの偏位や落下などIOL位置異常を認める症例に遭遇する機会も増えており,これらの症例に対しても同様に縫着術や強膜内固定術が行われる。縫着術は,縫着位置により毛様溝縫着術と毛様体扁平部縫着術に分けられるが,1986年の最初の報告1)からすでに30年が経過し,その長期予後とともに適したIOLの条件が明らかとなっている。そして,わが国においても,種々の縫着用IOLが発売されて手術に用いられている。一方,強膜内固定術は2007年に初めて報告され2),その長期予後とともに適したIOLについても不明な点が少なくない。しかし,強膜内固定術も,最近における症例の蓄積とその後の報告により次第に不明点が明らかとなってきている。本稿においては,最近の知見をもとに,縫着術や強膜内固定術などIOL二次挿入術に適したIOLについて述べる。

今月の表紙

有茎眼瞼結膜腫瘍

著者: 内田強 ,   下村嘉一

ページ範囲:P.4 - P.4

 症例は73歳,男性。3か月ほど前より左眼に粘性眼脂と違和感を感じ来院。初診時,視力・眼圧等に異常はなく,左眼瞼がやや腫脹して観察され,上眼瞼反転時に飛び出すように葉状の有茎眼瞼結膜腫瘍(16×13×4mm)が認められた。即日,外来にて眼瞼結膜腫瘍摘出術を施行。茎部より切除。病理組織診断の結果,膠原線維性結合組織の増生fibromaで悪性を示す所見はなかった。

 写真は初診時の左眼。スリットランプでは被写界深度が比較的浅く,照明も均一に届きにくくなるため,手持ちの一眼レフカメラマクロ仕様を用いて撮影。葉状の腫瘍全体にフォーカスが合いやすいように,まずF値(絞り)を36と深めに設定,次にできるだけ腫瘍の正・側面がカメラと平行になるようにした。さらに,茎部と腫瘍本体の連続性が詳細に掴めるよう撮影位置を調整し撮影した。

連載 今月の話題

糖尿病黄斑浮腫に対するレーザー治療の意義

著者: 高村佳弘

ページ範囲:P.5 - P.12

 視機能を直接脅かす糖尿病黄斑浮腫に対しては,以前は光凝固が唯一の手段であったが,過剰凝固の弊害もあり,近年は抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)治療がその中心となっている。しかしその薬理効果には時間的な限界があり,効果を維持するためには頻回投与が必要となる。VEGF産生の場である虚血領域への光凝固は抗VEGF治療後の浮腫の再発を抑制することを可能とする。ただし,光凝固は一過性の炎症の惹起とそれに伴い浮腫の悪化を引き起こす危険性があり,それを抑制する手法としてはステロイド治療の併用が有効である。本稿では,糖尿病黄斑浮腫の治療におけるレーザー治療の新しい流れと抗VEGF治療との併用の意義について論じたいと思う。

蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第1回【新連載】

網膜静脈分枝閉塞症 急性期

著者: 長谷川泰司 ,   飯田知弘

ページ範囲:P.78 - P.83

疾患の概要

 網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion:BRVO)は網膜動静脈交叉部で動脈による静脈圧排によって乱流が生じ,血栓が形成されることで網膜静脈の分枝が閉塞すると考えられている。典型例では刷毛状の網膜表層出血がみられ,軟性白斑がみられる症例も多い。高血圧,動脈硬化などの生活習慣病患者に多くみられる疾患である1)

 急性期BRVOによる視力低下の原因として黄斑浮腫が重要である。急性期BRVOでは静脈閉塞によって,血管透過性亢進作用をもつ血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の濃度が上昇2)し,内側血液網膜関門が障害され黄斑浮腫を生じる。一方,陳旧期BRVOでは循環障害の結果として生じた毛細血管瘤や拡張蛇行した毛細血管などの器質的血管病変,つまり内側血液網膜関門の器質的破綻によって黄斑浮腫が生じる。陳旧期BRVOについては第2回で詳細に述べる。

目指せ!眼の形成外科エキスパート・第17回

霰粒腫治療は俺にまかせろ!—兄貴が語る霰粒腫治療指南

著者: 三戸秀哲

ページ範囲:P.84 - P.87

はじめに

 霰粒腫(chalazion,複数形はchalazia)は,日常の眼科診療でよく遭遇する疾患です。当院でも瞼が腫れたとの主訴で来られた患者さんのほとんどが霰粒腫で,浮腫の強い症例でも瞼板にしこりを触知できます。しかし,霰粒腫についていまひとつよく理解できていない眼科医は多いようです。霰粒腫の原因は不明ですが,喫煙,ビタミンAの不足1),脂質の取り過ぎ,ニキビダニ2)などの関与が示唆されています。霰粒腫は放っておいてもいずれは自然吸収され,治癒する疾患です。ただし,自然吸収には数か月から時には数年かかることがあることは意外と知られていません。その間に炎症が強くなることがあったり(図1),瘢痕化により外反などの醜形をきたしたり(図2),乳幼児では乱視をきたすことによる弱視対策もしなくてはなりません。たかが霰粒腫と侮ることなかれ! 多くの複雑な要素を考えながら治療を行わなければなりませんが,霰粒腫が理解できると案外その診療は面白いものです。本稿をきっかけに霰粒腫の診療が楽しくなればと思います。

海外留学不安とFUN・第1回【新連載】

ボストンに留学して

著者: 結城賢弥

ページ範囲:P.88 - P.89

 慶應義塾大学医学部眼科学教室の結城賢弥と申します。私は2013年7月1日から2015年7月24日まで,ハーバード大学医学部ボストン小児病院の神経外科部門に留学し,東北大学の中澤 徹教授のご紹介で同部門directorのLarry Benowitz教授のもとで2年間,視神経の再生に関して研究させていただきました。

臨床報告

小児涙囊鼻腔吻合術鼻内法(pediatric endonasal dacryocystorhinostomy)の2例

著者: 鶴丸修士 ,   鈴木享 ,   張國中 ,   山川良治

ページ範囲:P.91 - P.96

要約 目的:先天鼻涙管閉塞症(CNLDO)に,涙囊鼻腔吻合術鼻内法(E-DCR)を施行した2症例の報告。

症例:症例1:3歳男児。生直後から両眼に眼脂と流涙があった。右E-DCR目的にて紹介受診。前医で左E-DCRを施行し治癒。経過:右E-DCR施行,術後経過良好で現在,眼脂,流涙症状は消失している。症例2:6歳男児。生直後に両眼眼脂,流涙および左涙囊炎に伴う涙囊部腫脹があった。右は3か月で自然治癒した。左涙囊炎は圧迫で排膿し,症状軽快するため経過観察されていた。4歳時,腫脹が持続的となり紹介受診した。経過:左E-DCR下鼻道法を施行,術直後は症状消失した。4か月後再発,E-DCRを施行し症状は消失している。

結論:CNLDOにE-DCRが根治的治療として有効な症例を報告した。

就学時健康診断における家庭および健診時視力検査結果の比較検討

著者: 藤村芙佐子 ,   半田知也 ,   川守田拓志 ,   庄司信行 ,   種田芳郎 ,   清水公也

ページ範囲:P.97 - P.101

要約 目的:平成25年度相模原市就学時健康診断(健診)における家庭と健診時の視力検査結果の一致性について検討した。

対象と方法:健診前に保護者へ検査説明書類を配布し家庭にて視力測定を実施,1.0判読の可否を記録した。健診時視力検査は,13校706名が対象児全員に実施(全員実施群),10校194名が家庭にて1.0判読不可の児を中心に実施(抽出実施群)された。健診時は学校保健安全法に準拠し,視能訓練士が裸眼もしくは眼鏡視力を測定した。

結果:家庭と健診時の視力検査結果一致率は全員実施群72.5%,抽出実施群68.5%で両群間に差はなかった(p=0.118)。

結論:家庭と健診時の視力検査結果の一致性は約7割にとどまり,健診時視力検査は対象児全員に実施する必要性が示された。

動眼神経麻痺で発症した内頸動脈後交通動脈分岐部動脈瘤—発症から診断までの経緯

著者: 榊原陽太郎 ,   田口芳雄 ,   中村歩希 ,   松森隆史 ,   和久井大輔 ,   神野崇生 ,   井出尚史

ページ範囲:P.103 - P.108

要約 目的:動眼神経麻痺を初発症状とする内頸動脈後交通動脈分岐部動脈瘤(以下,本疾患)に関して,発症から診断までの経緯を後方視的に調査した結果の報告。

対象と方法:対象は2003〜2012年に当科で経験した本疾患治療6例である。これら6例の発症から初診医受診までの期間,初期診断,2次施設への紹介理由などを分析した。

結果:患者側で脳疾患の自覚をもち医療機関を受診した者は1例もなかった。一方医療者側においても,1例を除き,動脈瘤の鑑別診断が上がらず,脳梗塞精査を理由に2次施設へ紹介されていた。

結論:本疾患の認知度は,医療者においても患者においても高くないので,啓発活動が重視される。

メタゲノム解析で診断したMycoplasma faucium急性涙囊炎の1例

著者: 長谷川麻里子 ,   江口洋 ,   宮崎千歌 ,   廣瀬美央

ページ範囲:P.109 - P.113

要約 目的:メタゲノム解析で診断したMycoplasma fauciumによる急性涙囊炎の症例の報告。

症例:78歳女性が8日前からの左眼の涙囊部のしこりと圧痛で受診した。17年前から左眼に流涙があった。

所見:左眼の涙囊部に,発赤・腫脹・圧痛があり,急性涙囊炎と診断した。涙点経由で涙囊の内容を吸引し,黄白色の分泌物5mlを採取した。分泌物の培養はすべて陰性であった。16S ribosomal DNAクローンライブラリー解析で,大多数がMycoplasma fauciumのクローンであり,Mycoplasma fauciumによる急性涙囊炎と診断した。

結論:急性涙囊炎の診断にメタゲノム解析が有用であった。

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欧文目次

ページ範囲:P.3 - P.3

べらどんな 隅角の広さ

著者:

ページ範囲:P.57 - P.57

 隅角の広さを表現するのに2通りの方法があり,どちらにも人名がついている。Shaffer分類とScheie分類であるが,困ったことに,狭隅角をⅠとするのが前者,そしてⅣとするのが後者である。

 Robert N. Shaffer(1912-2007)は眼科の臨床家であった。アメリカの西海岸にあるStanford大学で研修したのち,サンフランシスコで開業した。緑内障を専門とし,Stanford大学の研修医もここで臨床を教わったという。

ことば・ことば・ことば 赤

ページ範囲:P.90 - P.90

 元素の数は100以上もあり,その名前の由来もさまざまです。鉄Feとか硫黄Sのようにずっと昔からあるものは別として,新しい元素はその発見者が命名します。

 ゲルマニウム(germanium:Ge)やポロニウム(polonium:Po)などには,その命名者の愛国心が感じられますが,あまり好きではありません。まったく別の動機による元素名もあります。

学会・研究会 ご案内

ページ範囲:P.114 - P.121

希望掲載欄

ページ範囲:P.124 - P.124

アンケート用紙

ページ範囲:P.126 - P.126

次号予告

ページ範囲:P.127 - P.127

あとがき

著者: 下村嘉一

ページ範囲:P.128 - P.128

 皆さん,明けましておめでとうございます。

 本号では,稲谷委員が企画した特集「眼内レンズアップデート」が掲載されています。白内障手術が急激な進歩を遂げ,単に視力で1.0を出せばよい時代からquality of visionを論ずる時代に突入し,球面レンズ・非球面レンズ,多焦点眼内レンズ,トーリック眼内レンズ,フェーキック眼内レンズなど,読み応えのある内容が満載です。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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