icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻1号

2016年01月発行

文献概要

特集 眼内レンズアップデート

LASIK眼の眼内レンズの選び方

著者: 神谷和孝1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.48 - P.57

文献購入ページに移動
はじめに

 わが国では,通常眼内レンズ(intraocular lens:IOL)度数計算として,第三世代理論式であるSRK-T式を用いることが多い1)。LASIK(laser in situ keratomileusis)後のIOL度数計算は予測性が低く,通常白内障眼と同様にSRK-T式で算出すると“refractive surprise”と呼ばれる大きな屈折誤差(多くは遠視化)を生じることとなる。LASIK術後のIOL度数計算における術後屈折誤差の原因として,以下のものが考えられる。第一に,LASIK施行後の角膜屈折力分布が中央で不均一となり,ケラトメータで測定する傍中心部と中央部における角膜屈折力の差が大きくなる。第二に,LASIK術後では角膜前後面の屈折力の比率が変化しているにもかかわらず,ケラトメータでは角膜前面のデータのみで角膜前後面の屈折力を推定するため,LASIK施行後に通常の角膜換算屈折率を用いると角膜屈折力が過大評価される。第三に,LASIK施行後にフラット化した角膜屈折力から術後前房深度を推定すると,前房深度はほとんど変化しないにもかかわらず,予測前房深度が浅く計算され,遠視化を生じる。第四に,製造過程におけるIOL度数そのものの誤差が挙げられる。本稿では,LASIK後のIOL度数計算およびそのIOL選択について概説する。

参考文献

1)佐藤正樹・林 研・根岸一乃・他:2013年度JSCRS会員アンケートJSCRSアンケート調査ワーキンググループIOL & RS 29:47-66,2015
2)Aramberri J:Intraocular lens power calculation after corneal refractive surgery:double-K method. J Cataract Refract Surg 29:2063-2068, 2003
3)Shammas HJ, Shammas MC, Garabet A et al:Correcting the corneal power measurements for intraocular lens power calculations after myopic laser in situ keratomileusis. Am J Ophthalmol 136:426-432, 2003
keratomileusis. J Cataract Refract Surg 41:334-338, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら