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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
糖尿病黄斑浮腫のOCT像による治療選択の経験
著者: 芳賀照行1
所属機関: 1はが眼科医院
ページ範囲:P.1597 - P.1602
文献購入ページに移動要約 目的:糖尿病黄斑浮腫(DME)に対して光干渉断層計(OCT)による形態分類を行い,その分類が治療選択に有用であるかを検討した。
対象と方法:DMEを呈した非増殖網膜症28例36眼に対して,SD-OCTを用いた形態分類を行い,その結果により網膜光凝固またはトリアムシノロンテノン囊下注射(STTA)を選択した。
結果:OCTの網膜厚マップ,Bスキャン,3次元画像から浮腫の状態を3つのタイプに分類した。山形で浮腫のピークが中心小窩外にあるタイプは毛細血管瘤が浮腫の主な原因と考えられ,毛細血管瘤に対する直接凝固を含む光凝固が有効であった。山形で浮腫のピークが中心小窩内にあるタイプは中心小窩内に浮腫の主な原因があり,STTAが有効であった。中心小窩を環状にとり囲むタイプは主に黄斑部周囲の毛細血管からの漏出と考えられ,浮腫の部位の局所光凝固が有効であった。
結論:DMEをOCT像で分類することは治療選択に有用であると思われた。
対象と方法:DMEを呈した非増殖網膜症28例36眼に対して,SD-OCTを用いた形態分類を行い,その結果により網膜光凝固またはトリアムシノロンテノン囊下注射(STTA)を選択した。
結果:OCTの網膜厚マップ,Bスキャン,3次元画像から浮腫の状態を3つのタイプに分類した。山形で浮腫のピークが中心小窩外にあるタイプは毛細血管瘤が浮腫の主な原因と考えられ,毛細血管瘤に対する直接凝固を含む光凝固が有効であった。山形で浮腫のピークが中心小窩内にあるタイプは中心小窩内に浮腫の主な原因があり,STTAが有効であった。中心小窩を環状にとり囲むタイプは主に黄斑部周囲の毛細血管からの漏出と考えられ,浮腫の部位の局所光凝固が有効であった。
結論:DMEをOCT像で分類することは治療選択に有用であると思われた。
参考文献
1)Lang GE:Diabetic macular edema. Ophthalmologica 227(suppl 1):21-29, 2012
2)Early Treatment Diabetic Retinopathy Study Research Group:Photocoagulation for diabetic macular edema. Arch Ophthalmol 103:1796-1806, 1985
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4)芳賀照行:短照射小スポット汎網膜光凝固の長期成績.臨眼62:957-961,2008
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