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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻10号

2016年10月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

多焦点眼内レンズを強膜内固定した1症例

著者: 福永崇樹1 坪井俊児1

所属機関: 1坪井眼科

ページ範囲:P.1615 - P.1618

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要約 目的:多焦点眼内レンズの強膜内固定術を行った1例の報告。

症例:54歳の男性が多焦点眼内レンズを用いた右眼の白内障手術を希望して受診した。

所見と経過:矯正視力は右0.03,左1.0で,右眼に白内障と水晶体振盪があった。右眼に超音波乳化吸引術を行い,Zinn小帯断裂があり,水晶体囊も吸引した。核落下はなかった。多焦点眼内レンズを強膜内に固定した。術後の裸眼視力は遠方0.6,近方0.4であった。LASIKを行い,裸眼視力は遠方1.5,近方1.0になった。

結論:片眼の白内障に対し,超音波乳化吸引術と多焦点眼内レンズの強膜内固定を行った。残余屈折異常に対しLASIKを行い,遠方と近方とも良好な裸眼視力が得られた。

参考文献

1)Gabor SG, Pavlidis MM:Sutureless intrascleral posterior chamber intraocular lens fixation. J Cataract Refract Surg 33:1851-1854, 2007
2)Scharioth GB, Prasad S, Georgalas I et al:Intermediate results of sutureless intrascleral posterior chamber intraocular lens fixation. J Cataract Refract Surg 36:254-259, 2010
3)Ohta T, Toshida H, Murakami A:Simplified and safe method of sutureless intrascleral posterior chamber intraocular lens fixation:Y-fixation technique. J Cataract Refract Surg 40:2-7, 2014
4)中村邦彦:多焦点術後のタッチアップ.あたらしい眼科25:331-332,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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