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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻10号

2016年10月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著

重症心身障害児におけるコミュニケーションへの眼科的助言

著者: 唐木剛1 安間哲史2

所属機関: 1からき眼科クリニック 2愛知県眼科医会

ページ範囲:P.1633 - P.1637

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要約 目的:重症心身障害児は中枢性視覚障害によりコミュニケーションがとりにくいことが多いことを確認し対応法を述べる。

対象と方法:愛知県立名古屋特別支援学校における2014年の在籍者について,中枢性視覚障害のサインである眼球偏位とコミュニケーションのとりにくさの関係を調べた。

結果:眼球偏位の頻度とコミュニケーションのとりにくさはよく一致し,重度の者は30%に上った。つまり眼球偏位の頻度によりコミュニケーションがとりにくくなる。一方,眼球偏位は姿勢を臥位にすると減少することが知られている。

結論:教育関係者がコミュニケーションのとりにくい生徒に,姿勢を臥位にして意思の疎通を図るように指導することが重要である。

参考文献

1)Dutton GN, McKillop ECA, Saidkasimova S:Visual problems as a result of brain damage in children. Br J Ophthalmol 90:932-933, 2006
2)Broadsky MC, Fray KJ, Glasier CM:Perinatal cortical and subcortical visual loss:mechanisms of injury and asociated ophthalmologic signs. Ophthalmology 109:85-94, 2002
3)Jan JE, Lyons CJ, Heaven RK et al:Visual inpairment due to a dyskinetic eye movement disorder in children with cerebral palsy. Dev Med Child Neurol 43:108-112, 2001
4)唐木 剛・今野正良・渡邊文章:視反応発達遅滞の新しい視反応評価尺度と姿勢による視反応の改善.眼紀53:564-566,2002
5)今野正良・唐木 剛・渡邊文章・他:視反応発達遅滞2症例における呼吸状態と視反応および眼球偏位の関係.眼紀53:995-999,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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