文献詳細
特集 美しさを追求する眼形成—眼瞼手術の基本手技+仕上がりを高めるコツ
文献概要
はじめに
睫毛内反症は,瞼板の位置は正常であるが,眼瞼の皮膚によって睫毛のみが内反し,眼表面に接触している状態である(図1)。Lower eyelid retractors(以下,LERs)の皮膚穿通枝が脆弱であるため,前葉(皮膚,眼輪筋)が睫毛上に乗り上がってしまい,睫毛が眼球側へ内反して角膜を傷つける1)。基本的に後葉(瞼板など)は正常で,退行性眼瞼内反症のように瞼板の回旋はない。睫毛内反症は小児の下内反症の98%を占めるが2),小児や下眼瞼に限らず,成人や上眼瞼に認めることも少なくない。特に高齢者では,上眼瞼皮膚弛緩症に伴って起こることも多い。睫毛内反症手術は,角膜障害の改善のみならず,整容的な変化も大きいため,術前に十分な説明を行うことが重要である。
睫毛内反症は,瞼板の位置は正常であるが,眼瞼の皮膚によって睫毛のみが内反し,眼表面に接触している状態である(図1)。Lower eyelid retractors(以下,LERs)の皮膚穿通枝が脆弱であるため,前葉(皮膚,眼輪筋)が睫毛上に乗り上がってしまい,睫毛が眼球側へ内反して角膜を傷つける1)。基本的に後葉(瞼板など)は正常で,退行性眼瞼内反症のように瞼板の回旋はない。睫毛内反症は小児の下内反症の98%を占めるが2),小児や下眼瞼に限らず,成人や上眼瞼に認めることも少なくない。特に高齢者では,上眼瞼皮膚弛緩症に伴って起こることも多い。睫毛内反症手術は,角膜障害の改善のみならず,整容的な変化も大きいため,術前に十分な説明を行うことが重要である。
参考文献
1)Hayasaka S, Noda S, Setogawa T:Epiblepharon with inverted eyelashes in Japanese children. II. Surgical repairs. Br J Ophtalmol 73:128-130, 1989
2)Noda S, Hayasaka S, Setogawa T:Epiblepharon with inverted eyelashes in Japanese children. I. Incidence and symptoms. Br J Ophtalmol 73:126-127, 1989
3)Kakizaki H, Malhotra R, Madge SN et al:Lower eyelid antomy:an update. Ann Plast Surg 63:344-351, 2009
4)Hwang SW, Khwarg SI, Kim JH et al:Lid margin split in the surgical correction of epiblepharon. Acta Ophthalmol 86:87-90, 2008
5)板倉秀記・嘉鳥信忠:きれいな小児眼科手術.新ES NOW 6. pp34-41,メジカルビュー社,東京,2011
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