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連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第11回
滲出型加齢黄斑変性:典型加齢黄斑変性
著者: 狩野麻里子1 齋藤昌晃2
所属機関: 1東京女子医科大学八千代医療センター眼科 2秋田大学大学院医学系研究科医学専攻病態制御医学系眼科学講座
ページ範囲:P.1754 - P.1761
文献購入ページに移動加齢黄斑変性(age-relatied macular degeneration:AMD)は滲出型と萎縮型に分類される。厚生労働省の診断基準では,滲出型AMDは主要所見として,①脈絡膜新生血管,②1乳頭径以上の漿液性網膜色素上皮剝離,③出血性網膜色素上皮剝離,④線維性瘢痕の少なくとも1つを認めるものとされている1)。
脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)は,解剖学的な分類とフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)所見による分類がある。解剖学的には,網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)下にあるか(type 1 CNV),RPE上にあるか(type 2 CNV)で分類される(Gass分類)2)。FAでは,CNVの漏出パターンから造影初期に境界鮮明な過蛍光を示し,後期では旺盛な蛍光漏出を示すclassic CNVと,造影後期で淡い蛍光漏出を示すoccult CNVに分類される3)。また,滲出型AMDには特殊病型であるポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV),網膜血管腫状増殖(retinal angiomatous proliferation:RAP)があり,これらを除外したものが典型AMDと診断され,その病型分類にはインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)が有用となる。日本人の滲出型AMDに対する典型AMDの頻度は約35%と報告されている4,5)。2012年に加齢黄斑変性の治療指針が発表され,典型AMDでは抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)療法が推奨されている6)。
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