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臨床報告
緑内障を合併した角膜移植片機能不全に対して全層角膜再移植および緑内障インプラント同時手術を施行した1例
著者: 鬼頭昌大1 小菅正太郎1 當重明子1 横山康太1 高橋春男1
所属機関: 1昭和大学眼科学講座
ページ範囲:P.231 - P.236
文献購入ページに移動症例:73歳の女性が右眼視力低下で受診した。2年前に右眼の網膜剝離で手術を受け,3回のシリコーンオイル挿入と眼内レンズ縫着を受けていた。
所見と経過:右眼には帯状角膜変性があり,矯正視力は0.01であった。8か月後に右眼に全層角膜移植を行い,視力は0.2に向上した。2年後に眼圧が35mmHgに上昇し,角膜内皮細胞数が減少して角膜移植片機能不全になり,視力は手動弁に低下した。再度の全層角膜移植と後房型のバルベルト®緑内障インプラント挿入を同時に行った。12か月後に移植角膜片は透明で,眼圧は10mmHg以下で,視力は0.15に維持されていた。
結論:全層角膜移植後に生じた角膜移植片機能不全と緑内障に,再度の全層角膜移植とバルベルト®緑内障インプラント挿入が奏効した。
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