文献詳細
文献概要
特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
動物病院勤務者に発症した視神経網膜炎の1例
著者: 朝生浩12 嘉村由美2 花崎浩継2 中島基宏2 大西貴子2 加島陽二2
所属機関: 1春日部市立病院眼科 2日本大学医学部視覚科学系眼科学分野
ページ範囲:P.355 - P.359
文献購入ページに移動症例:38歳女性が1週前からの左眼視野異常を主訴に受診した。
所見と経過:矯正視力は右1.5,左0.1で左眼に虹彩毛様体炎,視神経乳頭浮腫と黄斑部を含む漿液性黄斑剝離があり,原田病を疑い,全身のステロイド治療を開始した。10日後に左眼に星芒状白斑がみられ,視神経網膜炎と診断した。再度の問診で,動物病院勤務で左前腕部に丘疹とひっかき傷が判明した。血中抗バルトネラ抗体検査を行いシプロフロキサシンを投与した。抗体価はIgM抗体40倍,IgG抗体512倍で猫ひっかき病と確定診断した。
結論:ぶどう膜炎では詳細な問診や全身の診察が重要である。動物病院勤務者の感染防御対策が必要である。
参考文献
掲載誌情報