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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻3号

2016年03月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著

先天無虹彩の1症例におけるFunctional Vision Score評価

著者: 鶴岡三惠子1 永野雅子1 井上賢治1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.367 - P.372

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要約 目的:学校生活上の視機能評価に,Functional Vision Score(以下,FVS)での評価が有用であった先天無虹彩の1症例の報告。

症例:13歳,男性。先天無虹彩の患者が学校生活の問題を訴え受診した。

所見:矯正視力は右0.3,左0.4,眼圧は両眼18mmHg,先天性眼振,黄斑低形成であった。Goldmann視野検査は両眼とも正常。視覚の身体障害者手帳に該当しなかった。この症例に対し,FVSを用いて障害の程度を判定するとFVS=79.5で軽度視覚喪失であった。学校にFVSの結果を報告し,障害について理解を得ることができた。

結論:FVSで患者の不自由さを評価できる可能性が示された。

参考文献

1)Nelson LB, Spaeth GL, Nowinski TS et al:Aniridia. A review. Surv Ophthalmol 28:621-642, 1984
2)根岸貴志:先天無虹彩,白子症,黄斑低形成.仁科幸子:子どもの眼と疾患(専門医のための眼科診療クオリファイ).116-117,中山書店,東京,2012
3)Gupta SK, De Becker I, Tremblay F et al:Genotype/phenotype correlations in aniridia. Am J Ophthalmol 126:203-210, 1998
4)筒井亜由美・菅澤 淳・中村桂子・他:先天無虹彩の屈折管理の検討.眼臨医報97:271-274,2003
5)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第1回.日本の眼科82:165-167,2011
6)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第2回.日本の眼科82:463-467,2011
7)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第3回.日本の眼科82:755-758,2011
8)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第4回.日本の眼科82:1069-1072,2011
9)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第5回.日本の眼科82:1339-1341,2011
10)加茂純子:身体障害認定における視覚障害評価 第6回.日本の眼科82:1617-1619,2011
11)原田 亮,加茂純子:日本人正常者のGoldmann視野計Ⅲ/4eの測定結果でFunctional Field Score(FFS)が100になるか? 日本ロービジョン学会誌11:102-107,2011
12)文部科学省:障害者の権利に関する条約第2条,第24条.文部科学省HP 特別支援教育の在り方に関する特別委員会(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297380.htm)(閲覧日:2015年12月8日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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