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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
診断に苦慮した眼内鉄片異物の1例
著者: 田岡梨奈1 安西陽子1 佐藤尚栄1 稲崎紘1 佐藤新兵1 山根真1 門之園一明1
所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科
ページ範囲:P.379 - P.382
文献購入ページに移動症例:44歳男性が9か月前から徐々に進行した右眼の視力低下と夜盲で受診した。
所見:矯正視力は右0.6,左1.5で,右眼に求心性視野狭窄があり,網膜電図は陰性型であった。眼窩内を精査するために頭部MRIを実施しようとした際に右眼痛を訴えた。問診で,受診する17か月前にハンマーを使った作業中に,右の下眼瞼に約1 mmの鉄片が刺さり,除去されたとの経緯が判明した。頭部CTで右の眼内に異物があった。手術で長径5 mmの鉄片を摘出した。
結論:長期間滞留した眼内異物が,片眼性の夜盲,視野狭窄,網膜電図の減弱の原因になりうることを本症例は示している。
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