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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻3号

2016年03月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著

和歌山医大での内視鏡下涙管チューブ挿入術の手術成績の検討

著者: 小門正英1 雑賀司珠也1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.393 - P.397

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要約 目的:和歌山医大で開始第1症例から約2年の内視鏡下涙管チューブ挿入術全症例について検討を行った。

対象と方法:当院で施行した57例68側について検討した。全症例を1名の術者が執刀した。

結果:全症例でのチューブ挿入完了率は79.4%であった。涙小管閉塞症例の完了率は0%,涙点閉鎖では50.0%であった。背景因子との関係では,抗癌剤内服既往は50.0%,外傷後長期経過は0%,急性涙囊炎後で75.0%であった。

結論:涙小管閉塞,外傷後長期経過,急性涙囊炎後で自壊創ありを内視鏡下涙管チューブ挿入術で治療困難と考えた。これらの因子がない場合,初心者では開始半年後以降は92.5%で挿入完了が可能であった。

参考文献

1)栗原秀行:涙小管内視鏡(栗原式涙道内視鏡).眼科手術12:307-309,1999
2)鈴木 亨:内視鏡を用いた涙道手術(涙道内視鏡手術).眼科手術16:1485-491,2003
3)杉本 学:シースを用いた新しい涙道内視鏡下手術.あたらしい眼科24:1219-1222,2007
4)井上 康:テフロン製シースでガイドする新しい涙管チューブ挿入術.あたらしい眼科25:1131-1133,2008
5)鈴木 亨:内視鏡を用いた涙道手術(涙道内視鏡手術).眼科手術16:485-491,2003
6)渡辺一彦,渡辺このみ:総涙小管閉塞に対する内視鏡直接穿破法および涙管チューブ挿入術の治療成績.臨眼66:1773-1776,2012
7)井上 康:涙道内視鏡による標準的治療.眼科手術24:155-159,2011
8)鈴木 亨・野田佳宏:鼻涙管閉塞症のシリコーンチューブ留置術の手術時期.眼科手術2:305-309,2007
9)宮久保純子・岩崎明美・宮久保寛:涙道内視鏡下でのヌンチャク型シリコーンチューブ挿入術の手術成績.臨眼62:1643-1647,2008
10)佐藤浩介・吉田紳一郎:涙道内視鏡導入後の涙道閉塞症121側の治療成績.あたらしい眼科32:1036-1040,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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