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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
脳幹部海綿状血管腫による水平・垂直のone-and-a-half症候群の1例
著者: 唐下千寿1 今岡慎弥2 寺坂裕樹2 松浦一貴23 古和久典4
所属機関: 1垣田病院眼科 2野島病院眼科 3鳥取大学医学部視覚病態学教室 4鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科学分野
ページ範囲:P.405 - P.410
文献購入ページに移動症例:58歳女性。1週間前からの複視を主訴に受診した。
所見:第一眼位は左外下斜視であった。水平眼球運動は,右眼は内転・外転とも不能,左眼は内転不能,外転のみ可能で,外転時に解離性眼振を認めた。垂直眼球運動は,両眼の下方注視麻痺,左眼の上転障害を呈した。頭部CT,MRIにて傍正中橋網様体,内側縦束および内側縦束吻側間質核,カハール間質核に一致する部位に海綿状血管腫,およびそれに伴う出血を認めた。
結論:水平・垂直の眼球運動にかかわる部位がそれぞれ障害されたため,水平と垂直両方のone-and-a-half症候群が合併した1例であると考えられた。
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