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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[1] Special Interest Group Meeting(SIG)報告
眼科DNAチップ研究会
著者: 上田真由美1 木下茂1
所属機関: 1京都府立医科大学感覚器未来医療学
ページ範囲:P.411 - P.413
文献購入ページに移動多くの疾患は,個人のもつ遺伝素因に環境因子が加わり,疾患が発症する多因子疾患です。多因子疾患の発症にかかわる体質をつかさどる遺伝要因として,遺伝子多型(single nucleotide polymorphism:SNP)が挙げられます。また,最近では次世代シークエンサの開発により稀な頻度で存在する変異(variants)の研究にシフトしてきています。2015年10月22日木曜日,第69回日本臨床眼科学会のSIGとして,第16回眼科DNAチップ研究会を名古屋国際会議場で開催いたしました。本研究会では,京都大学医学研究科附属ゲノム医学センターの後藤謙元先生に,“患者・臨床医・研究者をつなぐ網膜変性の遺伝子診断拠点の整備”について,京都府立医科大学眼科学教室の池田陽子先生には,“国際コンソーシアム共同研究で得られた広義原発開放隅角緑内障に関連するバリアント”について,尾﨑眼科の尾﨑峯生先生には,“落屑症候群の遺伝子異常—新たな展開—”について,横浜市立大学眼科学教室の目黒明先生には,“発達緑内障家系を対象としたエクソーム解析”についてご講演いただきました。さらに,東京医科歯科大学院医歯学総合研究科疾患多様性遺伝学分野の岡田随象先生に,教育講演として“遺伝統計解析で迫る疾患病態の解明とゲノム創薬”についてご講演いただき,それぞれについて熱心な討論が行われました。ここでは,4つの講演,ならびに,教育講演の要旨をご報告させていただきます。
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