icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻4号

2016年04月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

幼児における先天鼻涙管閉塞の涙道内視鏡所見

著者: 渡辺一彦1 渡辺このみ1

所属機関: 1あさひ総合病院眼科

ページ範囲:P.505 - P.508

文献購入ページに移動
要約 目的:先天鼻涙管閉塞(CNLDO)に涙道内視鏡を用いてプロービングを行った幼児の涙道内視鏡所見の報告。

対象と方法:CNLDOのため,全身麻酔下で涙道内視鏡によるプロービングを施行された7例8側。プロービングの年齢は12〜36か月であった。手術時の涙道内視鏡映像と診療録をretrospectiveに調べた。

結果:8側すべてで,涙囊と鼻涙管内に白色膿の貯留があった。涙囊内壁は6側で,鼻涙管内壁は全側がこぶ状を呈していた。鼻涙管尾部の閉塞部は1側のみがスリット形状で簡単に穿破できたが,それ以外は抵抗性があった。

結論:生後1歳を過ぎたCNLDOの涙囊と鼻涙管内には膿が貯留し,その内壁はこぶ状で,閉塞部も抵抗性があり,自然開口しにくくなっていると思われた。

参考文献

1)Young JD, MacEwen CJ:Managing congenital lacrimal obstruction in general practice. BMJ 315:293-296, 1997
2)永原 幸:涙小管・涙道閉塞の治療.4.先天性鼻涙管閉塞,涙囊炎—Congenital nasolacrimal duct obstruction, dacryocystitis.眼科52:1007-1018,2010
3)Kato K, Matsunaga K, Takashima Y et al:Probing of congenital nasolacrimal duct obstruction with dacryoendoscope. Clin Ophthalmol 8:977-980, 2014
4)大友一義:眼瞼・涙道—②涙道.眼科手術28:98-101,2015
5)大野木淳二:先天性鼻涙管閉塞症の臨床報告.眼科手術24:101-103,2011
6)Kakizaki H, Takahashi Y, Kinoshita S et al:The rate of symptomatic improvement of congenital nasolacrimal duct obstruction in Japanese infants treated with conservative management during the 1st year of age. Clin Ophthalmol 2:291-294, 2008
7)林 憲吾・嘉鳥信忠・小松裕和・他:先天鼻涙管閉塞の自然治癒率および月齢18か月以降の晩期プロービングの成功率:後ろ向きコホート研究.日眼会誌118:91-97,2014
8)大野木淳二:涙道の解剖と治療に潜在するリスク.眼科手術24:150-154,2011
9)松山浩子・宮崎千歌:先天鼻涙管閉塞の検出菌とその薬剤感受性.あたらしい眼科30:1745-1749,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら