icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻4号

2016年04月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

9歳児に発症したVogt-小柳-原田病の1例

著者: 髙橋政雄1 笠井真央1 原田陽介1 松下恵理子1 福田憲1 福島敦樹1

所属機関: 1高知大学医学部附属病院眼科

ページ範囲:P.567 - P.572

文献購入ページに移動
要約 目的:9歳女児に発症したVogt-小柳-原田病(以下,原田病)の1例報告。

症例:9歳女児が両眼の歪視および視力低下を主訴に紹介され受診した。

所見:矯正視力は右0.2,左0.1で,両眼底に多房性の漿液性網膜剝離,髄液検査で単核球優位の細胞増多がみられた。メチルプレドニゾロン16.7mg/kg/日の点滴投与3日間およびその後のプレドニゾロン内服漸減で速やかに症状が軽快し,治療開始から9か月後の現在まで再発はない。

結論:小児の原田病に対し,発症早期の副腎皮質ステロイド薬の大量全身投与が有効であった。

参考文献

1)Ohno S, Minakawa R, Matsuda H:Clinical studies of Vogt-Koyanagi-Harada's disease. Jpn J Ophthalmol 32:334-343, 1988
2)望月 學:小児のぶどう膜炎.眼臨医報85:560-567,1991
3)疋田伸一・園田康平・肱岡邦明・他:北部九州における内因性ぶどう膜炎の統計—1996年〜2001年と2003年〜2008年の比較.日眼会誌116:847-855,2012
4)Read RW, Holland GN, Rao NA et al:Revised diagnostic criteria for Vogt-Koyanagi-Harada disease:report of an international committee on nomenclature. Am J Ophthalmol 131:647-652, 2001
5)合田千穂・小竹 聡・寺山亜希子・他:9歳児に発症した原田病の1例.眼紀50:253-255,1999
6)小松健一・小林健太郎・橋本禎子・他:小児に発症した原田病の1例.眼臨医報96:268-270,2002
7)工藤朝香・鈴木幸彦・盛 泰子・他:外傷後に高度な滲出性網膜剝離を呈した小児原田病の1例.臨眼65:47-52,2011
8)永井博之・玉井一司・山田麻里:9歳児に発症したVogt-小柳-原田病の1例.眼臨紀6:748-752,2013
9)島 千春・春田亘史・西信良嗣・他:ステロイドパルス療法を行った原田病患者の治療成績の検討.あたらしい眼科25:851-854,2008
10)Abu El-Asrar AM, Al-Kharashi AS, Aldibhi H et al:Vogt-Koyanagi-Harada disease in children. Eye 22:1124-1131, 2008
11)日本小児循環器学会川崎病急性期治療のガイドライン作成委員会:川崎病急性期治療のガイドライン(平成24年改訂版).日本小児循環器学会雑誌28(Suppl. 3):s1-s28,2012
12)小児ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン作成委員会:第5章 ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の治療 3ステロイドパルス療法,日本小児腎臓病学会 編:小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013.27-28,診断と治療社,東京,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?