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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
インターフェロン(IFN)治療における血球動態とIFN網膜症についての検討
著者: 小林大悟1 中村裕介1 大矢佳美1 安藤伸朗1
所属機関: 1済生会新潟第二病院眼科
ページ範囲:P.579 - P.582
文献購入ページに移動対象と方法:過去4年間にB型またはC型の慢性肝炎に対してIFN投与を受けた149例を対象とした。男性66例,女性83例で,年齢は平均65歳である。治療中に網膜症が発症した66例と,発症しなかった83例につき,血液学的所見を検索した。
結果:血液の白血球,赤血球,血小板は,いずれもIFN投与後に減少し,汎血球減少を示した。白血球については,網膜症発症群と非発症群とで有意差はなく,ヘモグロビンと血小板については,網膜症発症群で顕著であり,有意差があった。治療開始後のヘモグロビン値が5g/dl以下に低下した群では有意に網膜症が多く,血小板の減少が1万/dl未満の症例では網膜症が有意に少なかった。
結論:IFN網膜症の患者では,治療開始後のヘモグロビン値と血小板の大きな減少があった。
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