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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻4号

2016年04月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著

インターフェロン(IFN)治療における血球動態とIFN網膜症についての検討

著者: 小林大悟1 中村裕介1 大矢佳美1 安藤伸朗1

所属機関: 1済生会新潟第二病院眼科

ページ範囲:P.579 - P.582

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要約 目的:インターフェロン(IFN)網膜症と血球動態との関連の報告。

対象と方法:過去4年間にB型またはC型の慢性肝炎に対してIFN投与を受けた149例を対象とした。男性66例,女性83例で,年齢は平均65歳である。治療中に網膜症が発症した66例と,発症しなかった83例につき,血液学的所見を検索した。

結果:血液の白血球,赤血球,血小板は,いずれもIFN投与後に減少し,汎血球減少を示した。白血球については,網膜症発症群と非発症群とで有意差はなく,ヘモグロビンと血小板については,網膜症発症群で顕著であり,有意差があった。治療開始後のヘモグロビン値が5g/dl以下に低下した群では有意に網膜症が多く,血小板の減少が1万/dl未満の症例では網膜症が有意に少なかった。

結論:IFN網膜症の患者では,治療開始後のヘモグロビン値と血小板の大きな減少があった。

参考文献

1)Diabetic Retinopathy Study Research Group:Diabetic retinopathy study. Report 6. Design, methods, and baseline results. Invest Ophthalmol Vis Sci 21:149-209, 1981
2)Eith NM, Wagener HP, Barker NW et al:Some different types of essential hypertention, their course and prognosis. Am J Med Sci 197:332-339, 1939
3)関 孝一・伊藤芳晴・今井康陽・他:C型慢性活動性肝炎におけるインターフェロン網膜症の発現頻度および発現要因に関する検討.肝臓36:4-10,1995
4)奥瀬千晃・池田裕喜・長瀬良彦・他:C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン併用療法におけるインターフェロン網膜症の検討.肝臓49:520-523,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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