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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
あけお眼科医院における網膜色素変性患者の臨床的特徴
著者: 明尾潔1 明尾庸子1 加藤帝子1
所属機関: 1あけお眼科医院
ページ範囲:P.589 - P.595
文献購入ページに移動対象と方法:過去11年間に来院したことがある網膜色素変性患者95例を検索した。男性51例,女性44例で,年齢は13〜78歳,平均48歳である。矯正視力,Humphrey視野,Goldmann視野などを評価した。
結果:初診時の年齢は40歳代が25例と最も多かった。40歳代では6例で右眼または左眼視力が0.01以下であり,Humphrey視野のMD値が−31dB以下が右眼9例,左眼11例と多かった。視機能良好例では,視力0.7以上が50歳代では右眼10例,左眼11例にあり,視野−27dB以上が60歳代では右眼8例,左眼9例にあった。95例全例では,視力障害による身体障害1級相当が11例,2級相当が6例にあり,視野障害による2級相当が35例にあった。当院では21例に障害年金,16例に身体障碍者等級の診断書を発行した。
結論:網膜色素変性による視機能不良例は40歳代に集中し,視機能良好例は50歳代と60歳代に多かった。本症患者については,障害年金と身体障碍者の診断書発行について留意する必要があった。
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