文献詳細
文献概要
臨床報告
CO2レーザーを使用したMüller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術(Extended Müller Tucking法)
著者: 宮田信之1
所属機関: 1岡田眼科
ページ範囲:P.689 - P.693
文献購入ページに移動要約 目的:眼瞼下垂(加齢性,コンタクトレンズ長期装用によるもの,内眼術後)の治療にMüller筋を10mm以上タッキングした症例の報告。
対象:2012年4月〜2014年4月に当院で同一術者により施行されたMüller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術のうち10mm以上Müller筋のタッキングを両眼同時に行われた132例264眼瞼(男性39例,女性93例),平均年齢67.3±11.6歳について検討した。
方法:手術方法は眼瞼皮膚切開後瞼板中央に達し,瞼縁側の瞼板上の組織をペアンで把持して,瞼板をドーム状になるように斜め上方へ引き上げ牽引することで,Müller筋を立体的に引き出し,2か所でタッキングするMüller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術(Extended Müller Tucking法)で行った。
結果:手術時間は両眼で33.2±5.8分であった。術後は全例MRD(marginal reflex distance)の改善がみられ,平均3.0±1.1mmの挙上が得られた。
結論:Extended Müller Tucking法は,低侵襲で安全,確実な上眼瞼挙上術である。
対象:2012年4月〜2014年4月に当院で同一術者により施行されたMüller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術のうち10mm以上Müller筋のタッキングを両眼同時に行われた132例264眼瞼(男性39例,女性93例),平均年齢67.3±11.6歳について検討した。
方法:手術方法は眼瞼皮膚切開後瞼板中央に達し,瞼縁側の瞼板上の組織をペアンで把持して,瞼板をドーム状になるように斜め上方へ引き上げ牽引することで,Müller筋を立体的に引き出し,2か所でタッキングするMüller筋牽引縫縮眼瞼下垂手術(Extended Müller Tucking法)で行った。
結果:手術時間は両眼で33.2±5.8分であった。術後は全例MRD(marginal reflex distance)の改善がみられ,平均3.0±1.1mmの挙上が得られた。
結論:Extended Müller Tucking法は,低侵襲で安全,確実な上眼瞼挙上術である。
参考文献
レーザーを使用したMüller筋タッキング法による眼瞼下垂手術.臨眼60:2037-2040,2006
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