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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻5号

2016年05月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

結石の処理に16ゲージシースが有用であった涙囊内結石症例

著者: 四宮加容1 赤岩慶1 大串陽子1 藤原亜希子1 三田村佳典1

所属機関: 1徳島大学大学院医歯薬研究部眼科学分野

ページ範囲:P.709 - P.712

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要約 目的:涙囊内結石の処理に16ゲージ(G)シースが有用であった1症例を報告する。

症例:62歳男性。数か月前から右の流涙と眼脂があった。

所見:通水試験で通水可能であったが,膿性貯留物の逆流があった。鼻涙管狭窄を疑い,涙道内視鏡下でのシース誘導シリコーンチューブ挿入術を予定した。術中,涙囊内に大きな結石を発見した。18Gシースで結石を搔爬して下鼻道への排出を試みたが,結石は固くて大きいため搔爬は困難であった。16Gシースを用いると,効率よく搔爬することができた。下鼻道に排出された結石は長径11mmであった。

結論:16Gシースはサイズが大きく,物体を押す力が強いことから大きな結石を効率よく搔爬することができた。

参考文献

1)大野木淳二:下鼻道法におけるシース誘導チューブ挿入法の応用.眼科手術22:561-564,2009
2)吉田祥子・廣瀬美央:涙道内視鏡で巨大涙石を認めた2例.臨眼65:1065-1068,2011
3)Yazuci B, Hammad AM, Keyer DR:Lacrimal sac dacryoliths:predictive factors and clinical characteristics. Ophthalmology 108:1308-1312, 2001
4)杉本 学:涙囊もしくは鼻涙管内の結石について教えてください.あたらしい眼科30(臨増):102-104,2013
5)佐々木次壽:涙道内視鏡所見による涙道形態の観察と涙道内視鏡併用シリコーンチューブ挿入術.眼科41:1587-1591,1999
6)杉本 学:シースを用いた新しい涙道内視鏡下手術.あたらしい眼科24:1219-1222,2007
7)Kaido M, Ishida R, Dogru M et al:A new punctal plug insertion technique to prevent intracanalicular plug migration. Am J Ophthalmol 147:178-182, 2009
8)Carter KD, Nelson CC, Martonyi CL:Size variation of the lacrimal punctum in adults. Ophthal Plast Reconstr Surg 4:231-233, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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