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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
麻痺性斜視手術が角膜乱視に与える影響
著者: 近藤美穂1 木村亜紀子1 三村治1
所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.713 - P.717
文献購入ページに移動対象と方法:2013年9月〜2015年1月の間に,麻痺性斜視に対して手術を施行した61例75眼を対象とした。男性32例,女性29例で,年齢は13〜84歳,平均59歳である。麻痺性斜視の内訳は,滑車神経麻痺18眼,甲状腺眼症と動眼神経麻痺が各15眼,外転神経麻痺11眼などであった。術式の内訳は,外直筋または内直筋の後転術20眼,内外直筋前後転術9眼,下直筋鼻側移動術22眼,内外直筋の後転術と下直筋鼻側移動術の併施19眼,西田法5眼であった。方法はオートレフケラトメータ(ケラト)と前眼部光干渉断層計(前眼部OCT)を用いて,術前,術翌日,術2週後,術3か月後の角膜乱視を測定した。
結果:ケラトでは内外直筋前後転術と西田法で術翌日に角膜乱視が増加し,術前と術翌日間にのみ有意差を認めた(p<0.05)。前眼部OCTでは有意差を認める群はなかった。
結論:麻痺性斜視に対する斜視手術後の角膜乱視は術翌日にのみ増加するも,長期的には影響を与えなかった。
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