臨床眼科70巻5号

2016年05月発行

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集［3］

原著

術前抗菌薬投与にてアナフィラキシーショックから心肺停止に至った硝子体出血の1例

著者： 津山孝之¹ 廣瀬浩士¹ 服部友洋¹ 佐久間雅史¹ 鈴木雅登²

所属機関： ¹名古屋医療センター眼科 ²名古屋医療センター麻酔科

ページ範囲：P.725 - P.728

文献概要

要約　目的：硝子体手術の術前投与として，ミノサイクリンの全身投与により，アナフィラキシーショックから心肺停止に至った1例を報告する。

症例：72歳男性。主訴は左視力低下。左眼に原因不明の硝子体出血を発症し，診断および加療目的で硝子体手術を予定した。手術室にてミノマイシン点滴静注開始後，咳嗽，悪心，発疹が出現。さらに血圧低下から意識消失し，蘇生処置を開始するも，心室頻拍から心肺停止となった。電気的除細動を施行し，心電図波形が改善した。ICUへ移送し，数日後には全身状態は安定した。

結論：眼科手術でも抗菌薬予防的投与によるアナフィラキシーショックの発症は避けられず，早期診断，救急処置，他施設への移送を含め，緊急時に対する準備が必要である。

参考文献

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