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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
カラーコンタクトレンズの色素に対するアレルギー反応が疑われた両眼角膜潰瘍の1例
著者: 安田絵里子1 長井隆行1 山崎悠佐1 松宮亘1 中村誠1
所属機関: 1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
ページ範囲:P.741 - P.745
文献購入ページに移動症例:16歳女性がカラーCLを装着したまま就寝後に両眼の眼痛,充血を自覚し,数日後に当院へ紹介となった。初診時の矯正視力は左右眼とも0.6であった。両眼の上方角膜に弓状に配列する多数の潰瘍と毛様充血を認めた。それまでの抗菌薬点眼に反応が乏しいことからCLへの炎症反応の可能性を考え,ステロイド点眼と内服を併用したところ,徐々に上皮化し視力改善が得られた。本症例ではカラーCLの角膜側に偏在した色素による直接的な障害と色素に対するアレルギー反応である可能性が推定された。
結論:カラーCLによる角膜潰瘍で抗菌薬点眼の効果が乏しい場合には,ステロイド治療を検討すべきと考えられた。
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