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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻6号

2016年06月発行

文献概要

今月の表紙

多発消失性白点症候群

著者: 永野幸一1 鈴木康之2

所属機関: 1北里大学病院 2東海大学

ページ範囲:P.810 - P.810

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 症例は38歳,女性。3日前から左眼耳側の見づらさ,飛蚊症,夜盲を自覚し,近医を受診。白点状網膜炎にて当院紹介受診となった。初診時視力は,左右とも(1.2),眼圧は左右とも11mm/Hgであった。前眼部・中間透光体には炎症所見はなく,左眼の視神経乳頭周囲に多数の白斑を認めた。Goldmann動的視野検査では左眼のMariotte盲点の拡大を認め,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では,ellipsoid lineの不明瞭化がみられた。眼底自発蛍光では,白点部位は過蛍光となった(写真左)。フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)では初期から白斑は点状の淡い過蛍光を示し,インドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA)では低蛍光斑がみられ,後期でより明瞭となった(写真右)。約2か月後に白点は消失し,Mariotte盲点も縮小して自覚症状も改善した。

 撮影は,HEIDELBERG社のHRA2を使用し,55°の広角レンズを装着してHigh Resolution Modeで行っている。また,眼底自発蛍光像はより明瞭な画像が得られるように30枚の加算処理を行っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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