文献詳細
文献概要
連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第6回
遺伝性網膜変性
著者: 長谷川泰司1 石龍鉄樹2
所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室 2福島県立医科大学眼科学講座
ページ範囲:P.828 - P.835
文献購入ページに移動遺伝性網膜変性は頻繁に遭遇する疾患ではないが,原因不明の視力低下や視野障害などで鑑別診断を行う際には必ず念頭に置く必要がある疾患群である。本稿ではStargardt病,網膜色素変性,中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィを例にとり,フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)での脈絡膜背景蛍光の読影について解説していく(Basic Note参照)。
Stargardt病は黄斑の萎縮性病変とその周囲に散在する黄色斑を特徴とする疾患である。眼底所見はこれらの組み合わせによって多彩な所見を呈する。視細胞外節内でレチノール代謝産物を輸送する遺伝子異常が関与し,常染色体劣性の遺伝形式をとる症例が多い1)。レチノールの異常代謝産物であるリポフスチンが網膜色素上皮細胞(retinal pigment epithelium:RPE)に蓄積し,細胞障害を生じる2)。
参考文献
掲載誌情報