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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科70巻6号

2016年06月発行

文献概要

特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著

新しい眼内レンズSS-60YGの術中術後屈折誤差と個別A定数

著者: 都村豊弘1 野本浩之2 山地英孝3

所属機関: 1高松市民病院附属香川診療所眼科 2野本眼科 3白井病院

ページ範囲:P.973 - P.979

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要約 目的:新しい眼内レンズSS-60YG(SS)の術中術後屈折誤差と個別A定数についてNS-60YG(NS)と比較した報告。

対象と方法:対象は過去10か月間に白内障手術を行った53例92眼。使用した眼内レンズ度数は+17〜+27D,角膜曲率半径はTMS-5(トーメーコーポレーション社),眼軸長はOA-1000(トーメーコーポレーション社)のContactモード,度数計算式はSRK/T式を用いた。A定数はNSの初期使用値118.4を用いて予測屈折値を算出した。屈折度は白内障手術後にハンディレフラクトメータARK-30(ニデック社),術翌日はARK-30と同社オートレフラクトメータARK-730A,術後7〜10日,1か月,3か月はARK-730Aで測定した。また術後1か月に他覚屈折値を基に自覚屈折値を求め個別A定数を算出し,同度数範囲のNS(239例411眼)と比較した。

結果:SSの屈折誤差平均値は絶対値平均値ともに術中,術翌日,術後7〜10日,術後1か月,術後3か月の各時点でNSのそれと有意差がなかった(p=0.097〜0.985,t検定)。パーソナルA定数はNSが118.67に対しSSは118.72であった。SSの個別A定数分布範囲は118.46〜118.94でありNSと有意差がなかった(p=0.263,t検定)。

結論:SSの術後屈折誤差や個別A定数はNSと有意差がなかった。

参考文献

1)須藤史子・島村恵美子・大鹿哲郎・他:新しい光干渉眼軸長測定装置OA-1000の測定精度と最適化A定数.IOL & RS 23:568-572,2009
2)都村豊弘・野本浩之・山地英孝:同一A定数である3種類の眼内レンズにおける術中と術後屈折度の誤差とその推移.臨眼67:1539-1546,2013
3)北大路浩史・北大路勢津子:眼内レンズA定数に対するレンズ形状と度数の影響.眼科手術12:479-482,1999
4)禰津直久:個別A定数からみたSRK/T眼内レンズパワー計算式の検討.臨眼51:911-914,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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