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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
眼内レンズ挿入に伴う計画的後囊切開施行部から経過中に前房に硝子体が嵌頓し,網膜剝離を発症した小児症例
著者: 溝口晋1 住岡孝吉1 二出川裕香1 髙田幸尚1 岡田由香1 雑賀司珠也1
所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1073 - P.1078
文献購入ページに移動症例:アトピー性皮膚炎がある12歳男児。
所見:全身麻酔下で両眼の水晶体超音波乳化吸引術,眼内レンズ挿入術,計画的後囊切開術を施行した。硝子体脱出はなく,眼内レンズは囊内に固定した。術後も瘙痒感のため上眼瞼を搔破しており,両眼とも徐々に前房内へ硝子体嵌頓をきたし,右眼は鋸状縁断裂による裂孔原性網膜剝離を発症した。硝子体手術を施行し,網膜は復位した。
結論:アトピー性皮膚炎を合併する小児症例では,計画的後囊切開の適応は慎重に検討する必要がある。
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