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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
穿孔性眼外傷後の線維組織形成を伴った外傷性白内障手術の1例
著者: 岡田怜奈1 山本学1 河野剛也1 白木邦彦1
所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学
ページ範囲:P.1083 - P.1087
文献購入ページに移動症例:45歳男性が,8歳時に鉛筆の芯により左眼に穿孔性外傷が生じた。数年前から左眼の視力低下で,外傷性白内障として紹介受診した。
所見と経過:矯正視力は右1.5,左30cm/指数弁で,左眼角膜の鼻下側に混濁があり,その後部に虹彩欠損と水晶体混濁があった。1か月後の水晶体再建術中に,角膜穿孔創から水晶体囊に至る線維性の組織形成があった。眼内レンズ支持部の片方を線維組織の上にかかるように囊外に固定した。以後眼内レンズの偏位はなく,術1年後の矯正視力1.0を維持している。
結論:本症例の外傷性白内障では,穿孔後の反応として線維組織増殖があり,白内障手術の際に格別の配慮が必要であった。
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