文献詳細
文献概要
特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
Rathke囊胞を合併した漿液性網膜剝離の3例
著者: 小林奈美江12 小林健太郎2 小野田貴嗣12 池田秀敏3
所属機関: 1総合南東北病院眼科 2南東北眼科クリニック 3総合南東北病院下垂体疾患研究所
ページ範囲:P.1089 - P.1095
文献購入ページに移動症例:症例1は15歳男児で,4年前から片頭痛・両眼の乳頭浮腫・右眼の漿液性網膜剝離があったという。Rathke囊胞が発見され,その摘出手術で視力と眼底所見が正常化し再発は認めない。症例2は24歳女性で,8年前から片頭痛があり,6年前にぶどう膜炎の所見を伴わない漿液性網膜剝離があり,原田病疑いで加療し改善した。同様の所見が今回再発し,Rathke囊胞が発見された。摘出手術後再発は認めない。HLA型はDR14,DR15であった。症例3は39歳女性で,9年前から片頭痛があり,両眼の視力低下で受診した。ぶどう膜炎の所見を伴わない両眼の漿液性網膜剝離があり,原田病の疑いで加療し改善した。その6か月後に両眼の漿液性網膜剝離が再発し,Rathke囊胞が発見された。摘出手術後,漿液性網膜剝離は完治したが5か月後に漿液性網膜剝離が再発した。
結論:これら3症例では,Rathke囊胞と漿液性網膜剝離との間に因果関係が存在する可能性が示唆された。
参考文献
掲載誌情報