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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
全身浮腫による体重増減と並行した漿液性網膜剝離を繰り返したネフローゼ症候群の1例
著者: 権田恭広1 松本直1 柴友明1 堀裕一1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科
ページ範囲:P.1129 - P.1134
文献購入ページに移動症例:59歳男性が左眼の視力低下で受診した。1年前にネフローゼ症候群と診断されていた。全身浮腫のため体重が10kg増加していた。
所見と経過:矯正視力は右1.2,左0.6であった。左眼黄斑部に漿液性網膜剝離を認めた。利尿薬投与とステロイドパルス治療の後,体重減少と同期して網膜剝離は改善し,1週間後の左矯正視力は1.2であった。その後,漿液性網膜剝離は18か月の間で2回再発し,全身的治療(塩分制限や透析導入)と体重減少の後に速やかに改善した。
結論:ネフローゼ症候群による漿液性網膜剝離は体重増減と同期していた。
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