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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
原因不明の両視神経炎に対して血漿交換が有効であった1例
著者: 永田祐衣1 古森美和1 立花信貴1 澤田麻友1 毛塚剛司2 田中惠子3 堀田喜裕1
所属機関: 1浜松医科大学眼科学講座 2東京医科大学臨床医学系眼科学分野 3金沢医科大学総合医学研究所生命科学研究領域神経内科学
ページ範囲:P.1151 - P.1157
文献購入ページに移動症例:54歳女性が左眼の球後視神経炎を発症し,3日後に受診した。左眼視力は0.01であった。副腎皮質ステロイドのパルス療法が行われたが,光覚なしになった。その3か月後に右眼の視神経炎が発症した。左眼の経過からステロイド抵抗性であったので,血漿交換療法を行った。一過性の効果があったが,2週間後に再発し,光覚なしになった。再発の7週間後に開始した再度の血漿交換療法で,視力は1.0に改善した。以後プレドニゾロンと免疫抑制剤の内服を併用し,1年後の現在まで,良好な右眼視力を維持している。経過中に複数回行った抗AQP4抗体と抗MOG抗体は陰性であった。
結論:原因が特定できず,ステロイドに抵抗性のある視神経炎に,早期の血漿交換療法が奏効した。
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