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臨床報告
マイラゲル®の術中強膜穿孔に強膜短縮術が有効であった1症例
著者: 松金祐介1 伊東健1 近藤寛之1
所属機関: 1産業医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1221 - P.1225
文献購入ページに移動症例:62歳の女性が24年前にマイラゲル®を用いた網膜剝離手術を受け,3か月前からマイラゲル®が結膜外に露出して紹介受診した。10年前に白内障手術を受けていた。
所見と経過:矯正視力は右0.02,左0.03で,左眼には約−16Dの近視があった。右眼の鼻側球結膜に,白色透明で膨化したマイラゲル®が露出し,眼底にマイラゲル®による隆起が全周にあった。マイラゲル®の摘出中に強膜が穿孔したので,部分摘出のみで手術を終了した。低眼圧と脈絡膜剝離が生じたため,4週後に再手術を行った。残存したマイラゲル®を摘出し,菲薄化した強膜の周囲をマットレス縫合し,強膜短縮術を行った。術後の合併症はなく,眼圧が正常化した。
結論:マイラゲル®を摘出するときには,強膜穿孔の可能性があることと,強膜穿孔には強膜短縮術が有効であることを,本症例は示している。
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