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臨床報告
片眼の突然の網膜中層障害をきたした1症例
著者: 都築一正1 上野真治2 中西絢美2 朴昌華2 寺崎浩子2
所属機関: 1岡崎市民病院眼科 2名古屋大学大学院医学系研究科眼科
ページ範囲:P.1233 - P.1237
文献購入ページに移動症例:糖尿病網膜症で経過観察を行っていた75歳の男性が,急激な右視力低下を自覚して受診した。
所見:2か月前に矯正0.7であった右眼の視力は0.1まで低下していた。暗順応下のフラッシュERGで陰性型波形を認め,錐体系ERGの振幅が低下していた。ERGの結果,不全型停在性夜盲と同様の片眼性の網膜中層障害が疑われた。
結論:双極細胞を含む網膜中層障害が原因と考えられた急激な片眼の視機能障害をきたした貴重な症例を経験した。原因は不明だが,肺腺癌の病歴もあることから,腫瘍関連網膜症の可能性も考えられた。
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