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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
5歳以下発症の小児重症筋無力症の4症例
著者: 松尾純子1 菅澤淳1 西川優子1 戸成匡宏1 奥野高司2 奥英弘1 池田恒彦1 玉井浩3
所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2香里ヶ丘有恵会病院眼科 3大阪医科大学小児科学教室
ページ範囲:P.1245 - P.1249
文献購入ページに移動症例:4例すべてが女児で,初診時の年齢はそれぞれ1歳2か月,1歳4か月,3歳2か月,5歳10か月であった。
所見と経過:4例すべてに日内変動を伴う眼瞼下垂があった。テンシロン試験が陽性で,重症筋無力症と診断した。全例がMGFA(Myasthenia Gravis Foundation of America)分類のClass Ⅰに相当する眼筋型であった。抗コリンエステラーゼ薬(メスチノン®)内服で治療を開始し,1例で寛解した。症状が改善しない他の3例ではステロイド薬とタクロリムスの全身投与で寛解した。片眼の眼瞼下垂が4か月間続いた1例では,弱視が生じた。
結論:小児の変動する眼瞼下垂または斜視では,重症筋無力症の可能性がある。片眼の眼瞼下垂が持続すると,廃用性弱視になる危険がある。
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