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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
急性視神経炎における造影MRI所見と疼痛および視力予後の関連
著者: 松崎光博12 下園正剛3 平見恭彦12 広瀬文隆12 宮本紀子12 西田明弘12 菊地雅史14 栗本康夫12
所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院眼科 2先端医療センター眼科 3大阪市立総合医療センター眼科 4菊地眼科
ページ範囲:P.1259 - P.1263
文献購入ページに移動対象と方法:過去8年間に急性視神経炎で初診し,診療録に十分な記録のある29例を対象とした。男性5例,女性24例で,平均年齢は44歳である。16例が特発性,8例が多発性硬化症,5例が視神経脊髄炎またはその関連疾患であった。全例にガドリニウム造影による冠状断のMRIを行い,病巣の局在と長さを評価した。視力はlogMARとして評価した。
所見と経過:病巣の部位は,眼窩内が23例,眼窩外が6例であった。疼痛は20例にあり,そのすべてが眼窩内に病巣があった。眼窩外に病巣がある6例には疼痛がなかった(p<0.001)。疼痛がある症例は,病巣の範囲が有意に長かった。病巣の長さは治療前後の視力と有意に相関した。病巣長が20mmを超えると,治療後の視力が不良であった。
結論:広義の急性視神経炎に対し,造影MRIにより病巣の局在と長さを検索した。病巣が眼窩内にある症例では疼痛が有意に多く,病巣長が大きいと治療前後の視力が不良であった。
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