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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
非外傷性角膜穿孔の治療とその効果についての検討
著者: 中井允子1 細谷友雅1 神野早苗1 三村治1
所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1293 - P.1297
文献購入ページに移動対象と方法:非外傷性角膜穿孔に対して過去8年間に治療した27例29眼を対象とした。男性19例,女性8例で,年齢は46〜98歳,平均70歳である。角膜穿孔の原因,治療内容,視力予後,合併症について,診療録の記録に基づいて検討した。治療方針は,視力改善が期待できる症例には全層角膜移植,期待できない症例には層状角膜移植,角膜の入手が困難な場合には羊膜移植を行った。
結果:角膜穿孔の原因は,感染性17眼,非感染性11眼,不明1眼であった。層状角膜移植を14眼,全層角膜移植を7眼,眼球摘出を2眼,保存治療を6眼に行った。羊膜移植は4眼に行ったが,全例で追加手術が必要であった。全層角膜移植により,7眼中6眼で視力が改善した。合併症として移植片感染,拒絶反応,眼圧上昇が生じ,全例で鎮静化した。
結論:非外傷性角膜穿孔に対し,層状または全層角膜移植は穿孔創閉鎖に有効であった。全層角膜移植では,7眼中6眼で視力が改善した。
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