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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
網膜光凝固術が有効であった網膜出血を合併した一過性骨髄異常増殖症の1例
著者: 木下明夫1 稲本美和子1 高畑太一1 諸岡美智子1 濵口陽2 青木幹弘2
所属機関: 1国立病院機構長崎医療センター眼科 2国立病院機構長崎医療センター小児科
ページ範囲:P.1325 - P.1328
文献購入ページに移動目的:TAMに網膜出血が併発したDown症候群の1例の報告。
症例:在胎41週で生まれた男児で,生下時体重は3,420gであった。出生直後に呼吸が緊迫し,血中酸素濃度が低下して,出生当日に新生児集中管理室に入院した。TAMを併発したDown症候群と診断された。日齢21に眼科を受診した。
所見と経過:Down症候群に特有な顔貌があった。角膜は透明で,両眼に網膜動静脈の拡張と蛇行,左眼に網膜出血があった。日齢45に左眼の硝子体出血と線維性増殖膜が発症し,汎網膜光凝固が行われた。左眼の網膜出血は改善し,1年後の現在まで眼底病変の悪化はない。
結論:本症例では,TAMにより過粘稠度症候群と網膜内虚血が生じたと推定され,新生児期からの眼科受診が有用であった。
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