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特集 第69回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
前眼部光干渉断層計が毛様体解離範囲の同定に有用であった低眼圧黄斑症の1例
著者: 横山一弘1 高橋淳士1 川井基史1 中林征吾1 長岡泰司1 吉田晃敏1
所属機関: 1旭川医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.1455 - P.1460
文献購入ページに移動症例:60歳男性が右眼の眼内レンズ脱臼で紹介受診した。23年前に金属片により右眼が受傷し,その9年後に眼内レンズが挿入された。その5年後に鈍性外傷で眼内レンズが脱臼し,無水晶体眼になった。5か月前に眼内レンズ縫着を受けた。矯正視力は1.2,眼圧は9mmHgであった。
所見と経過:右眼視力は0.5,眼圧は5mmHgで,眼内レンズの状態に異常はなく,眼底に黄斑浮腫など低眼圧症の所見があった。隅角鏡検査で右眼の隅角に2時半から4時にかけての隅角解離と毛様体解離があった。AS-OCTでは,毛様体解離は隅角鏡検査よりも広い範囲にあった。その後,強膜毛様体縫合術を行った。術後のAS-OCTで毛様体解離は消失し,矯正視力は1.0,眼圧は10mmHgになり,網脈絡膜皺襞など低眼圧黄斑症の所見が消失した。
結論:AS-OCTは,外傷性の毛様体解離の術前術後の評価に有用であった。
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