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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻11号

2017年10月発行

文献概要

増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる Ⅰ 眼科検査の理論と実技

色覚検査

著者: 中村かおる1 田中芳樹2

所属機関: 1東京女子医科大学眼科学教室 2中京眼科視覚研究所

ページ範囲:P.98 - P.105

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理論編

色覚異常の混同色

先天色覚異常

 正常色覚には異なって見える色が,色覚異常では類似の色に見える現象を混同色あるいは仮性同色という。2色覚のこのような混同色は,国際照明委員会(Commission Internationale de l'Eclairage:CIE)のxy色度図上では混同色軌跡で表される(図1)1)。特に白色光と区別できない色光の波長は,1型2色覚では495nm,2型2色覚では500nm付近にあり,これを中性点という。また,1型色覚では長波長側の視感度が低い2)。主な混同色は,赤と緑,橙と黄緑,茶と緑,青と紫,緑と無彩色,ピンクと無彩色などである3)。異常3色覚でも頻度は低いが,同様の混同を示す。色覚検査表は,この混同色理論を利用して作成されている。

参考文献

1)LeGrand Y:Light, colour and vision. Chapman & Hall, London, 1957
2)Wright WD:Researches on Normal and Defective Colour Vision. Henry Kimpton, London, 1946
3)岡島 修・他:臨眼51:7-12,1997
4)中村かおる:後天色覚異常の色の見え方は? 北原健二(編):眼科診療プラクティス66,色覚の考え方.64-65,文光堂,東京,2001
5)中村かおる:色覚.大鹿哲郎(編):眼科学 第2版.725-743,文光堂,東京,2011
6)岡島 修・他:眼科54:661-665,2012
7)中村かおる:仮性同色表.飯田知弘・他(編):眼科検査検査ガイド第2版.226-233,文光堂,東京,2016
1)田邉詔子:アノマロスコープ,ランタンテスト.市川一夫(編企):色覚異常の診療ガイド.OCULISTA 43:15-22,全日本病院出版会,東京,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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