臨床眼科71巻11号

2017年10月発行

増刊号 眼科基本検査パーフェクトガイド—理論と実技のすべてがわかる

Ⅰ　眼科検査の理論と実技

眼底検査

著者： 野村陽子¹ 小畑亮¹ 小川麻湖²

所属機関： ¹東京大学医学部眼科学教室 ²東京大学医学部附属病院眼科

ページ範囲：P.186 - P.205

文献概要

理論編

眼底カメラ，超広角走査レーザー検眼鏡

目的

　眼底検査に並行して，経時的な眼底所見の変化を確認・記録するため，複数の医療者とディスカッションするため，または診断や研究において定量的・客観的に分析するために眼底写真を撮影する。また，オプトス社の超広角走査レーザー検眼鏡（scanning laser ophthalmoscope：SLO）装置は疑似カラー撮影ではあるが，必要最小瞳孔径が2mmで眼底の200°の広範囲が約0.3秒と短時間で撮影可能であり，散瞳ができない状況や散瞳不良の症例での眼底評価目的に有用である^1）（図1）。

参考文献

1）Wessel MM et al：Retina 32：785-791, 2012

2）Mainster MA et al：Ophthalmology 89：852-857, 1982

3）竹田宗泰：眼底と蛍光眼底造影の異常所見とその読み方．丸尾敏夫他（編）：眼科学．876-894，文光堂，東京，2009

4）石羽澤明弘：あたらしい眼科33：175-187，2016

5）大野京子・他：身につく蛍光眼底造影検査手技と所見の読み方．17-23，金原出版，東京都，2014

6）Sparrow JR et al：Exp Eye Res 80：595-606, 2005

7）Burke TR et al：IOVS 55：2841-2852, 2014

8）Tojo R et al：Am J Ophthalmol 153：314-319, 2012

1）山口　純：眼科写真33：8-14，2016

2）菅野順二・他：眼科写真33：15-19，2016