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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻12号

2017年11月発行

文献概要

臨床報告

大阪医科大学附属病院眼科における糖尿病性眼筋麻痺の検討

著者: 板野瑞穂1 菅澤淳1 戸成匡宏1 松尾純子1 栗本拓治1 奥英弘1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1755 - P.1759

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要約 目的:大阪医科大学附属病院眼科における糖尿病眼筋麻痺を検討した。

対象と方法:2005〜2009年に受診した後天性眼運動神経麻痺224例のうち,糖尿病性眼筋麻痺の占める割合,性別・年齢,治癒までの期間,疼痛の頻度,複合神経麻痺の有無について検討した。

結果:224例中糖尿病性眼筋麻痺は46例であり,男性30例,女性16例,治癒までの期間は平均14.5週で,疼痛を訴えたのは10例,複合神経麻痺は1例であった。

結論:糖尿病性眼筋麻痺は後天性眼運動神経麻痺の約20%を占め,疼痛を訴える症例もある。眼球運動障害を契機に糖尿病が見つかる場合もあり,眼運動神経麻痺の症例では糖尿病の検索を積極的に行うべきである。

参考文献

1)向野和雄・難波龍人・坂本則敏:糖尿病とニューロパチー.特に眼球運動障害(診療と治療).眼科Mook 46:213-222,金原出版,東京,1991
2)三村 治・鈴木 温:糖尿病性眼筋麻痺.眼紀49:977-980,1998
3)湯口琢磨・海谷忠良:海谷眼科における糖尿病性眼筋麻痺の統計的観察.眼紀53:104-107,2002
4)臼井康臣・向山昌邦・橋爪真言・他:糖尿病性眼筋麻痺の臨床病理学的研究—本邦剖検報告第1例.臨床神経29:442-449,1989
5)臼井康臣・橋詰良夫・高橋 昭:糖尿病性眼筋麻痺—本邦剖検報告第2例の臨床病理学的研究.神経内科67:154-162,2007
6)馬場正之:疼痛疾患 末梢神経障害 糖尿病神経障害.Clinical Neuroscience 27:521-523,2009
7)向野和雄・青木 繁・庄司治代:糖尿病の神経眼科 眼球運動障害.日眼紀46:132-137,1995
8)奥野泰久・丸毛和男・上田進彦・他:糖尿病患者に合併した眼筋麻痺.糖尿病23:619-625,1980
9)三村 治・神野早苗:眼球運動障害.眼科プラクティス7:204-207,2006
10)高橋洋司:糖尿病性眼筋麻痺.神経内科70:13-21,2009
11)有村和枝・小島祐二郎:糖尿病における外眼筋麻痺.眼臨医報89:688-690,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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