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連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第14回
Vogt-小柳-原田病
著者: 菅野幸紀1
所属機関: 1福島県立医科大学眼科学講座
ページ範囲:P.215 - P.224
文献購入ページに移動Vogt-小柳-原田病(Vogt-Koyanagi-Harada disease:VKH)は,全身のメラノサイトを標的とする自己免疫疾患と考えられており,東洋人に多くみられ,わが国でも数多く報告されている。眼所見として,脈絡膜のメラノサイトに対する自己免疫反応により多発する漿液性網膜剝離(serous retinal detachment:SRD)や,視神経乳頭の発赤腫脹が特徴的である。眼外症状として,色素細胞を多く有する組織が障害されることにより無菌性髄膜炎,感音性難聴,皮膚の白斑や白髪など多彩な症状を呈する1)。多くの場合,HLA-DR4が陽性である。2001年に報告された改定診断基準2)により,完全型,不完全型,疑い例に分類されるが,日本人では皮膚所見を伴う完全型の症例は少ない。
診断には眼底検査,フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)およびインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA),光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)が用いられるほか,無菌性髄膜炎の証明のための髄液検査や感音性難聴の有無の検索のための聴力検査を行う。
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