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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科71巻2号

2017年02月発行

文献概要

連載 蛍光眼底造影クリニカルカンファレンス・第14回

Vogt-小柳-原田病

著者: 菅野幸紀1

所属機関: 1福島県立医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.215 - P.224

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疾患の概要

 Vogt-小柳-原田病(Vogt-Koyanagi-Harada disease:VKH)は,全身のメラノサイトを標的とする自己免疫疾患と考えられており,東洋人に多くみられ,わが国でも数多く報告されている。眼所見として,脈絡膜のメラノサイトに対する自己免疫反応により多発する漿液性網膜剝離(serous retinal detachment:SRD)や,視神経乳頭の発赤腫脹が特徴的である。眼外症状として,色素細胞を多く有する組織が障害されることにより無菌性髄膜炎,感音性難聴,皮膚の白斑や白髪など多彩な症状を呈する1)。多くの場合,HLA-DR4が陽性である。2001年に報告された改定診断基準2)により,完全型,不完全型,疑い例に分類されるが,日本人では皮膚所見を伴う完全型の症例は少ない。

 診断には眼底検査,フルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FA)およびインドシアニングリーン蛍光眼底造影(indocyanine green angiography:IA),光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)が用いられるほか,無菌性髄膜炎の証明のための髄液検査や感音性難聴の有無の検索のための聴力検査を行う。

参考文献

1)Moorthy RS, Inomata H, Rao NA:Vogt-Koyanagi-Harada syndrome. Surv Ophthalmol 39:265-92, 1995
2)Read RW, Holland GN, Rao NA et al:Revised diagnostic criteria for Vogt-Koyanagi-Harada disease:report of an international committee on nomenclature. Am J Ophthalmol 131:647-52, 2001
3)Oshima Y, Harino S, Hara Y et al:Indocyanine green angiographic findings in Vogt-Koyanagi-Harada disease. Am J Ophthalmol 122:58-66, 1996
4)Ishihara K, Hangai M, Kita M et al:Acute Vogt-Koyanagi-Harada disease in enhanced spectral-domain optical coherence tomography. Ophthalmology 116:1799-1807, 2009
5)Maruko I, Iida T, Sugano Y et al:Subfoveal choroidal thickness after treatment of Vogt-Koyanagi-Harada disease. Retina 31:510-517, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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