文献詳細
文献概要
臨床報告
リハビリ後に回復,代償機能を得た半側空間無視の2例
著者: 田中智章1 今岡慎弥2 松浦一貴12 佐々木慎一1 寺坂祐樹2 井上幸次1
所属機関: 1鳥取大学医学部視覚病態学 2野島病院眼科
ページ範囲:P.241 - P.246
文献購入ページに移動目的:半側空間無視の代償期に同名半盲様視野が回復し,代償機能を得た2症例の報告。
症例:1例は77歳男性で,右側頭葉から頭頂葉にかけて脳出血が生じた。他の1例は78歳女性で,右後頭葉に脳出血が生じた。
所見と経過:両症例とも線分二等分試験と時計描写試験は半側空間無視のパターンを呈し,左右眼に類似性がない同名半盲が検出された。いずれも2か月後に正常化した。
結論:半側空間無視は,慢性期に入っても改善することがある。左側の同名半盲が回復傾向を示す症例の中には,後頭葉視覚野の障害による典型的な同名半盲ではなく,半側空間無視によるものが混在している可能性がある。
参考文献
掲載誌情報