今月の表紙
円錐角膜
著者:
矢作彼方1
中澤満2
所属機関:
1海谷眼科
2弘前大学
ページ範囲:P.290 - P.290
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症例は18歳,男性。1か月前から視力低下に気づくも放置,2日前から急に見えづらさを自覚し近医を受診した。円錐角膜が疑われ,当院へ紹介受診となった。初診時の視力は右50cm指数弁,左(1.0),眼圧は右測定不能,左14.5mmHgであった。両眼ともに円錐角膜を認め,右眼には急性水腫を伴うデスメ膜破裂があった。そのため,右眼に角膜保護用fitコンフォートモイストコンタクトレンズを装着し,眼圧を下げるためダイアモックス®錠250mgとアスパラカリウム®錠300mgを処方した。3週間後にデスメ膜は創傷治癒。2か月後,急性水腫はほとんど瘢痕化していたため,円錐角膜治療を目的としたハードコンタクトレンズへ変更し,現在経過観察中。6か月後の視力は右(0.4),左(1.0)。
写真は受診後1週間の右眼。撮影には前眼部OCT SS-1000 CASIA(TOMEY社)を使用した。撮影モードはAnterior Segmentを選択し,病変部位をより鮮明に捉えるためAuto AlignmentをZ-offにして撮影した。また,コンタクトレンズ装用中のため,適宜瞬目を入れ乾燥を防ぎ,病変部位が撮影できる最小限の挙上にてアーチファクトを避けるよう心がけた。